沖合・遠洋漁業
沖合イカ釣り漁

夜間操業で、集魚灯に集まるイカの群れを
次々にイカ釣り機で上げていく。

沖合イカ釣り漁の領域
太平洋と日本海の200カイリ内を、イカの動きに合わせて移動する。

スピードと効率が求められる漁、船のスケールも漁場もさまざま。

イカ釣り漁は、夜の海の集魚灯に集まってくるイカをイカ釣り機で釣り上げていくという、スピードと効率が求められるシンプルな漁だ。イカの種類や 場は季節によって変わってくる。北海道沖ならマイカやアカイカ、日本海のマイカやスルメイカ、東シナ海のヤリイカなど、群れの動きにあわせて追って獲る。漁船は小型船から超大型船までさまざま。その規模によって航海の長さも決まってくる。夜の操業が一般的だが、昼間に漁をする場合もある。

30トンの小型船から185トンの大型船まで、コンピューター制御のイカ釣り機も活躍。

急速凍結装置を備えていない30〜60トンの漁船は、船上で氷詰めにする日帰り操業。凍結装置のある中大型船では船で急速冷凍して、魚槽がいっぱいになると基地港に戻る。平均30〜40日の航海だが、水揚げ量や海の状況によって、70日くらいの長い航海になることもある。ハイテク機器を備えた中大型漁船では、コンピューター制御の自動イカ釣り機が活躍する。
なお、沖合イカ釣り漁は資源保護のため、3月と4月の2カ月は完全休漁となっている。

沖合イカ釣り漁
沖合イカ釣り漁

船上作業で機敏かつ的確に働くために機械の扱いに慣れ、漁の経験を積むことが必要。

イカ釣り漁の場合、漁そのものは機械にまかせる部分が多いが、その扱いに経験の差が出る。この漁は「スピード」「効率」「清潔」を必要とするため、デッキで乗組員と呼吸を合わせてタイミングよく仕事しなくてはならない。
新人の仕事は、まずイカの選別から。揚がったイカをサイズ別に箱詰めし、ベルトコンベアで急冷室に入れるのだが、このときイカのワタを抜いたり、開いたり、または丸のまま冷凍するかは、漁労長の判断によって異なってくる。この一連の仕事を交替しながら夕方から明け方まで行うのだ。
機関部の仕事をめざすなら、機器類の知識を学ぶなど、さらに経験が必要となってくる。全体の仕事を覚えて効率よく立ち回れるようになるまでには、2年ぐらいの期間が必要と思っておこう。

沖合イカ釣り漁の仕事サイクル

灯りに集まってくるイカの群れを自動イカ釣り機で釣り上げる。沖合イカ釣り漁船のスケ ルは0〜135トンとさまざまだが、集魚灯と船べりに並んだ何台もの自動イカ釣り機が特徴的。

沖合イカ釣り漁イラスト

出港準備〜出港

漁と漁場の移動
沖合の漁場で、夜間に漁を行う (船上で選別や一部の加工作業あり)
漁場への航行にかかる時間や冷凍設備の有無などにより、操業は日帰りから1カ月以上までさまざま

帰港/水揚げ作業

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