大衆魚の需要を支える沖合漁業
日本の漁獲量の半分以上は、日本200カイリ内で操業する沖合漁業によって支えられている。食卓でなじみの深い、アジ、サバ、イワシ、サンマなどのいわゆる大衆魚やエビ、カニを獲る。
魚種や漁法、漁場によって仕事の内容にもさまざまな違いがあり、日帰りの漁から50日以上におよぶ船上生活を必要とする漁まで多彩だ。漁船の大きさは短期間の操業をする船なら20〜30トン、長期に渡って漁場を回る場合は120〜200トンクラスが中心となる。
多くを海の上で過ごす遠洋漁業
南太平洋、アフリカ近海のインド洋、さらに北大西洋を漁場とする遠洋漁業。船は大型の350〜500トンが中心。日本で需要が多いマグロやカツオ漁が中心で、イカ漁もある。一度日本を出ると短くて1カ月、長い場合は1年半も帰国しないこともある。近年は外国人の乗組員が増加している。
遠洋漁業の歴史は、明治時代、帆船や汽船の時代にさかのぼる。漁船技術は漁船や漁法の進歩とともに成長をとげ、第二次世界大戦後の高度経済成長期になると、漁獲量も飛躍的な伸びをみせた。
近年、日本の遠洋漁業による漁獲高自体は減少しているが、日本は国際的な漁業のあり方をリードする上で重要な立場にある。
遠洋カツオ一本釣り漁
主に赤道付近の南太平洋と
東の北大西洋が漁場
遠洋マグロはえ縄漁
いまやマグロは世界的人気。
資源保護と日本の伝統漁で新たな視点が求められてる。
遠洋トロール漁
ハイテク機器搭載の船上加工工場。
資源管理も徹底しつつある。