減らさない努力してますか?
こんにちは!漁師.jp馬上です。
先週は12月12日、富山県立滑川高校で初めて漁師の仕事!知る授業を開催しました。
1年生と2年生約60名の生徒たちに参加いただきました。
参加した漁業会社の方や定置網の漁師さんがブース形式で生徒とお話をする楽しい時間となりました。後日先生から「生徒の中に漁業に興味を持ってくれた子がいた」とご連絡がありました!
先生方の協力でこうした機会をいただけることはありがたいですね。
12月13日は全国鰹鮪近代化促進協議会で講演をさせていただきました。この協議会は遠洋かつお・まぐろ漁業界の若手経営者で組織されていて毎年総会の前には講演を聞いて意見交換をしているとのこと。
日本の遠洋まぐろ業界の方々が集結する会議で講演をさせていただけるとは光栄ではありますが、有意義な時間になるのかと正直不安の方が大きいです。
前にも書いたかもしれませんが講演は得意でも好きでもない私です。ただ、いただいたことはできるだけ断らないようにとの思いでお引き受けしました。
13時から1時間程の講演では、私がこれまで活動してきた内容やその中で今何をしなければいけないかといった課題をお話しました。
漁業就業支援フェアは2002年から始まりましたが、最初の出展団体を見ると沿岸漁業、大型船としては全日本海員組合北海道支部のみとなっていました。
初めて遠洋船の会社が未経験の方を入れていこうと参加したのは2009年でした。
その時に参加された会社の一人が茨城県の㈱磯前漁業所の磯前社長で、今回この促進会の会長でもある磯前社長からこうしたお時間をいただいたことは15年の間に築いてきた信頼関係と繋がりで私にとってとても嬉しいことです。
私たちは漁師を増やす、育てる活動をしているけれど、もっと大事なことは減らさない活動です。事故を減らすこともその一つと思い取り組んでいます。
講演では以前、漁船に乗り、19歳でパワハラにより辞めていった方の残した報告書を読ませていただきました。
「これを放置していたら私たちの活動の意味はない。見て見ぬふりはしないでください。」
こうした話をさせていただきました。
講演の後は、磯前会長と今日本で一番たくさんの新人漁師が乗船している遠洋まぐろ船第87長久丸(三重県尾鷲市)の大門社長にも入っていただき、グループディスカッションを行いました。
就業支援フェアを通じて乗船した6人に事前にwebアンケートをさせていただきました。
遠洋船の乗組員にこうしたアンケートができるって進化ですね。
1.なぜ数ある出展団体の中から長久丸を選んだのか
2.乗船して辛かった事、良かった事
3.もし新人日本人一人で乗船していたら頑張れていたか
など10項目に回答いただきました。
ちょうど彼らがラスパルマスに入港した際に撮影してくれたメッセージ動画もYouTube等で見ていただけるのでよかったらご覧ください。
沖での操業中にも関わらずみんなしっかりと書いてくれて、色々なことが読み取れました。
【なぜ長久丸を選んだか】については、多くの方が「フェアでの社長の説明が丁寧で内容に共感し、この船に乗りたい、社長の下で働きたいと思った」と書いていました。
【乗船して辛かった事】は船酔いや長期間帰れないこと、家族や友人と会えないことなど。
【一人でも頑張れていたか】に対しては6人中4人が頑張れていないと書いていました。外国人やベテラン船員との意思の疎通や仕事の説明がわからないといった声がありました。
フェアに参加し、真剣に就職先を探しに来た若者がどんな気持ちで面談して、話のどこに惹かれてどういう物差しで会社を選ぶのかを息子世代の方の気持ちを読み解いて皆様にお伝えしました。
日本の宝である若者を雇用するということは私は選んだ側にも大きな責任があると思っていましたがそれを大門社長は、
「自分でフェアに参加し、時間をかけて話をして選んでいるから選んだ子に対して愛情がある」
とおっしゃっていました。
こうした会社と乗組員の絆こそ定着への道のりなのではないかと思います。
最初に乗った子からは毎日のようにLINEがきてそれを日本からサポートし、入港するタイミングには海外の港に行って美味しいご飯をご馳走して、ベテラン船員との間に入り彼らが少しでも働きやすいように動いていた社長がいたからこそ、アンケートの中で全員が
「今の目標は乗船履歴が付いたら3級海技士の資格を取ること」と書いています。
今は転職が当たり前の世の中。もしかしたらこの先下船してしまうこともあるかもしれないけれど、少なくとも彼らは漁師が嫌になって辞めることはないでしょう。
グループディスカッションの中である会社の社長さんが
「とても勉強になった。我々がまず一番初めにやるべきことをワンフレーズで教えてください。」と質問されました。
大門社長は
「たくさんの人に会うこと。会って話をすると見えてくるものがある。」と。
私はなかなかワンフレーズでお伝えすることが難しかったけれど
「目を背けないこと。目の前の従業員を大事にしてください。」とお伝えしました。
10ヶ月もの長期航海をする遠洋まぐろ船に若い人を集めることは本当に難しいけれど、皆様の努力により一度挑戦してみたいという若者もいます。
その彼ら6人を社長とベテラン船員が愛情をもって育てている第87長久丸の話は参加した皆さんにとって衝撃だったのではないでしょうか?
複数の新人をいれることは経営面で大変だという現実的な声もありましたが、この漁業を守るために何か少しでもヒントになり
「若者がずっと輝き続けられる船」
が増えることを心から期待しています。
【1年目23歳の乗組員から社長へのメッセージ】
10ヶ月の漁を終え成長した姿をお見せできるよう頑張ります。また周りのメンバーと仲良くトラブルを起こさぬようにします。
あと、ラスパルマスでは3日間の食事ご馳走様でした。社長に連れて行ってもらったご飯屋はとても美味しかったです。
講演の最後に以前、行ったアンケートをご紹介させていただきました。
4年前開催された業界団体の方の集まる会議で
「就業者数が減っていて、漁師.jpは存在意義がないのではないか」
と理事から意見が出ました。
私は頑張っているつもりだけど、存在意義があるかと聞かれてもそれを決めるのは私ではなく漁業者であることから、翌年の会議の前に繋がりのある漁業会社の方々に5段階評価と活動についての率直な意見をいただきました。
21件の回答があり、評定平均4.5
このアンケートには遠洋まぐろの会社の方やそのほか多くの方から「これからも存続させて、弊社の人材確保にも協力してください。一緒に頑張りましょう。」という声をいただきました。
「3人しかいない小さな団体だけど、こうした声が私たちの自慢であり誇りです。講演の中でやんわり伝えても伝わらないので、言わない方が良いことを言って嫌われたかもしれない。でも今すぐに変えていかなければいけないことがあると思うし、15年間こうして一緒に頑張ってきたのだから、これからもあまり嫌わずに前に進んでいけたらなと思っています」
とお話しました。
講演といったらもっとイマドキっぽいかっこいい話をする方がいいのかもしれないけれど、キラキラした話は一切なしです。
そんな私の講演をうちのスタッフも会場内で撮影をしながら見守っていてくれていました。
終わって一安心した2次会では大騒ぎで喋りすぎで喉が潰れました。
年末のお忙しい時期に貴重な機会をいただきありがとうございます。
存在意義のある漁師.jpを目指して今年もあと10日、頑張ります!
漁業人材デザイナー馬上敦子
12万人の未来図
早いものであっという間に今年もあと1ヶ月を切りました。漁師.jp馬上です。
昨日の日本経済新聞の【1億人の未来図】は漁師について特集されていて、私のところにも記者さんが取材に来られました。
記事には「漁師は20年で半減した」「水産庁は2050年代には7万人に減ると予想する」と書かれていました。
私が漁業担い手対策の事業に携わるようになった20年前、当時は年間1万人減っている状況で、その勢いに驚きました。
何とかこの減少を少しでも緩やかなカーブにするために水産庁の担当官と連携し、様々な取り組みをする中で今でも注目を集めているのが【漁業就業支援フェア】の開催だと思います。
ですが、、、20年前は参加する漁業者が少なく、出展団体の掘り起こしに苦労していました。
「外から人を入れたってうまくいく訳がない」
「山の者は漁師にはなれん!」
「憧れだけで来てもどうせすぐ辞める」そんな声が多く
「資格のない奴は要らん」と遠洋船の出展はゼロ
そんな中ではありましたが、早朝の漁を終えて駆けつけてきて出展された親方などから
「都会にくればこんなに人がいるなんて、希望が持てた」
「このフェアをずっと続けて欲しい」
「東京の団体がこうして私たちの力になってくれることで頑張らないといけないと思う」
こうした声に励まされ、当時私は漁業についての知識が全くなく、そんな私を頼ってくる漁師さんがいるって本当に皆さん困っているんだと私自身いつも必死でした。
そのころの水産庁の担当官は山口県、宮崎県、鹿児島県などから来られた水産のスペシャリストで毎日長電話をしてたのが懐かしく、今でも何かと頼りにしている存在です。
そしてイベントの運営会社さんに頼ることも多く、漁業団体にはない仕事の仕方など色々なことを教えていただけたのもありがたかったです。
年明け2月に開催する「漁師の仕事!まるごとイベント 漁業就業支援フェア2025冬」
11月に出展団体を募集したところ、今年7月に開催した時に迫る出展希望をいただきました。
現在、出展条件の確認や調整をしているところです。
7月は3会場での開催でしたが、2月は東京大阪の2会場での開催、そして残念ながら予算の関係もあり会場の規模はこれまでの半分程度となります。
大阪会場でいうと、近年は大阪OMMビルのホールを2部屋お借りして開催してきましたが、2014年以来の1部屋のみでの開催となっています。
恐らく出展を断念いただく団体が多く出てしまうことを主催者として大変心苦しく思いますが、担い手対策の予算には限りがあります。
その予算をどう使うことが皆様にとって一番良いか、水産庁の担当官とも協議し、私たちとしても少しでも良いイベントにできるよう準備に追われているところです。
イベントを開催するに当たっては、来場者の確保にも苦慮しているところです。
開催費だけでなくPR費も十分ではない中、参加する出展団体や関係の皆様にもフェア開催の告知に協力いただいています。
昨日、焼津を訪問した際、漁師.jpサポーターである焼津まぐろ漁業㈱さんに立ち寄らせていただきポスターをお渡したころ早速…
お金をかけたPRや私たちだけの力では届かない人に届く…ありがたいですね!
こうして日本の漁業を残すために業界が協力し合う体制を作っていくことも私たちの役割だと感じています。
昨日の日経新聞の記事にも書いていただいていました。
「夢を抱き移住しても、挫折してしまう人も多いことが最大の課題。自然相手の仕事のため重労働だ。その苦労を上回る魅力や、安心して働き続けられる環境整備が急務。」
『漁師になりたい』という人を「山の者には無理」とか「どうせすぐ辞める」というのは簡単だけど、【働ける環境にする】という努力をしているところは、山の者も根付いているし、辞めたとしても嫌になってやめていないのではないかと思う。
これもいうのは簡単だと言われると思いますが、案外誰も言わない。
言う人がいない業界だからこそ、嫌われるの覚悟で言い続けた2024年でした!
さて、今年もあと1ヶ月、12万人の漁師さんの未来が明るいと思えるよう頑張ります!
漁業人材デザイナー馬上敦子
【漁師.jpスタッフその4】漁師を知っていく日々日記~漁師.jp流研修制度2024編~
こんにちは。漁師.jpスタッフその4inokoです。
普段オフィスで仕事をしていますが、1年のうち1週間だけ職場が漁村になる漁業研修。昨年は岩手県に行かせていただいたので、今年は南の海へ!というわけで、佐賀県唐津市鎮西町へ行ってきました。
今回お世話になったのは、アカウニ、アワビ、牡蠣養殖漁師、久保居喜一さん(写真右手)見た目は小柄ですが、とってもパワフルな親方。アカウニ養殖のレジェンドです。
写真左手の若手漁師は久保居親方のもとで学んで1年半の山下さん。高校までサッカーをしていたスポーツマン。技術の習得スピードもはやいとのこと。今後が楽しみな期待の漁師さんです。
親方はとにかくよくしゃべる。そして、とってもおちゃめ。山下さんとのツーショットを撮るときも台にのって身長差をごまかしたり。研修中は、たくさん説明もしていただきました。一方の山下さんは寡黙に仕事をこなしていきます。おしゃべり好きな親方と口数の少ない山下さん。いいコンビです。
1日目
8~11時 養殖用コンテナの清掃後、アカウニの餌となる海藻の一種マメタワラをとりに海上へ。漁港から出発すること5分。親方と山下さんはウェットスーツをきて水中へ。私は船上でお留守番です。仕事を見学しつつ、海の景色に癒される時間。
最近は海藻だけではなく、キャベツやうどん屋の出汁をとった後の昆布がアカウニやアワビの餌になっているそう。以前は、海に潜って海藻をとりにいってたけど、手間が省けて体が楽になった、と親方が言ってました。九州の海は暖かいと思ったら、唐津市の海は玄海灘、日本海なのでとっても寒いです。
13~15時半 お昼をはさんで、午後はアカウニの餌やり。午前中にとったマメタワラをアカウニにあたえていきます。漁港から3分もかからない海中につるされたコンテナをひきあげ、マメタワラをコンテナにつめていきます。週に1度コンテナを引きあげ、餌やりすることで、成長の様子もわかり、カニのような天敵も駆除できるとか。手間を惜しまず育てることで、親方は2年で出荷するところを1年で出荷します。
船酔いの洗礼 さて、午後の作業を意気揚々とやっていた私ですが、だんだん体に異変がでてきました。そうです、船酔いです。まさかの船酔いデビューを果たしてしまいました。大型定置網の船に乗ったときも、小型船で作業をしたときも酔わなかったので油断してました。漁師さんの「船酔いは気合、慣れだよ!」という言葉を胸になんとか乗り切り、夜は元気に夕飯をもりもり食べました。それでも、寝る前までは揺れが残っている感じでした。これはキツイ…
2日目
8~11時 今度はあわびの餌やりです。今日の餌はうどん屋の出がらし昆布。どんな味がするのでしょう。アワビに「おいしい?」って聞いてみたいですね。さて、コンテナを開けると前回いれた餌はきれいになくなっています。山下さんが海中からコンテナ引き上げ、私はそのコンテナを開けて餌をやっていきます。
午後 昼食をとって13時に再度集合。さて、午後の作業は…「観光」
作業が落ち着いている時期だから観光へ行こう!と親方。冗談かと思ったら、山下さんの車に乗って着いた先は「名護屋城跡」この辺りは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の陣後が残っており、歴史好きにはたまらない場所だそう。
漁師になって漁村に住むとなるとその土地に根付くこととなります。なので、久保居親方は弟子を地元のいろいろな所につれていっているそうです。親方は今まで2人の弟子を独立させています。ちなみに3人目の山下さんは、佐賀市出身なので名護屋城跡には小学生の遠足できたことがあるとか。
3日目
牡蠣の水揚げ いよいよ牡蠣の作業。今日は親方の奥様も参戦です。奥様は、仕事大好き人間の親方を支えており、出荷や事務作業を一手に引き受けています。私も研修中は「お母さん」と呼ばせていただき、大変お世話になりました。
船に乗ること5分。イカダにつるされた牡蠣を引き揚げ、先切り金づちのような道具をつかって、付着物をとっていきます。表面がでこぼこしているので、付着物をとるのに悪戦苦闘。その横で猛スピードで仕事をこなしていくお母さん。この道30年の大ベテラン。なんと、親方よりも作業が早いそう。浜のお母さんパワー恐るべし。親方とお母さんの夫婦漫才の横で山下さんは今日も黙々と作業をこなしていきます。
午後は、牡蠣を高圧洗浄し、出荷する準備を見学して終了。あっというまの3日間でした。久保居ご夫妻、山下さんありがとうございました。
帰りは佐賀県高等水産所の方の車で外津漁港~仮屋湾、さらに西の方までぐるりとドライブ。佐賀県の漁師さんや海の現状を教えていただき、改めて気がひきしまる思いでした。途中、新人漁師が網作業をしていたので少しお話もさせていただきました。元美容師で、釣り好きから漁師になった谷口さん。美容師時代は出勤前に釣りにいっていたそう。最近は青年部のインスタを担当しているとか。若い方の感性で漁業界を盛り上げてください!外津漁協青年部インスタ
研修を終えて 2日目以降は酔い止めを飲みましたが、船酔いもせず無事に研修を終えることができました。リアルな漁業の現場で学んだことは、事務所にいては決してわからない、感じられないことだらけでした。世界が少し広くなる瞬間。今回あらためて思ったのは、漁師になりたい方には漁業体験に行くことを強くおすすめするということ。今回の私のように船酔いが大丈夫だと思っていても船や作業内容によっては酔う可能性もあります。それでも、海の上での仕事は陸では味わえない何かがあります!
受け入れ先の皆様、佐賀県支援協議会の皆様、佐賀県玄海栽培漁業協会の伊藤様、ありがとうございました。また、受入準備をしてくださった支援協議会前事務局長の荒巻さんにも感謝申し上げます。そして、漁師.jpスタッフにも貴重な1週間をいただけたお礼を。たくさんの方に支えられていると感じる毎日。普段の業務に役立てるためにも、これからも頑張ります!
最近の漁師.jp 2025年2月15日大阪、22日東京のフェア開催にむけて準備中。現在は、ポスター、チラシの発送作業におわれています。応援の方のおかげでだいぶ発送が進みました。未来の漁師の目に留まりますように!!
お願いしたら、チラシをおいてくれました
ページをリニューアルしました!
いつも漁師.jpのWebサイトをご覧いただき、ありがとうございます!
毎月サイトの閲覧状況をレポートでいただくのですが、10月に多く見ていただいたページをリニューアルいたしました!
漁師になるために | 漁師.jp:全国漁業就業者確保育成センター
スタッフみんなで手作業で更新しているこちらのサイト。
情報収集にお役立ちできるよう、今後とも更新してまいります!
ryoushi.jp漁船安全月間キャンペーン|たくさんのご協力ありがとうございました
10月の全国漁船安全操業推進月間にあわせて実施した「ryoushi.jp漁船安全月間キャンペーン」は10月31日をもって終了となりました。
SNS上で「#漁船事故を減らそう」のハッシュタグとともに安全への願いを込めた数多くの投稿があり、画像や動画、安全に関するメッセージなど様々な形で自主的にキャンペーンに参加いただきました。
また、予想を上回る方からキャンペーン投稿のシェア、拡散などをしていただいたことにより安全を呼びかける投稿は画像投稿の閲覧:16.7万回、動画投稿の再生が5万回となりました。
皆様のご協力に心より感謝申し上げます。
このキャンペーンは、漁業者の皆さんに安全への意識を高め、事故を未然に防ぐこと目的として実施しました。
「重大な怪我につながる事故1件の背後には29件の軽事故があり、さらにその背景に300件のヒヤリハットがある」
という労働災害における怪我の回数を分析したハインリッヒの法則があります。
重大な事故を減らしていくには、声かけや点検などちょっとした日々の心がけが大切だと思い、今回のキャンペーンを行いました。
この取り組みを通じ、漁船安全の意識が高まり、ひとつでも事故が減ることを願っています。
こちらに一部ですがご紹介させていただきます。
乗組員さんがライフジャケットをつけて安全を呼びかけています。
下記の皆様からInstagramやFacebook、Xなどで投稿がありました。
お忙しい中、ご協力いただき心より感謝申し上げます。
・あきた漁業スクール様(秋田県)
・栄進丸様(富山県)
・沖縄県漁業協同組合連合会様(沖縄県)
・かーりぃ様(北海道)
・漁船海難遺児育英会様(東京都)
・宮崎県漁村活性化推進機構様(宮崎県)
・コマハマ漁師組様(兵庫県)
・全国共済水産業協同組合連合会様(東京都)
・昭徳水産様(長崎県)
・大栄水産様(長崎県)
・但馬漁業協同組合様(兵庫県)
・天洋丸様(長崎県)
・長久水産様(三重県)
・早田大敷様(三重県)
・福岡県漁協青壮年協議会様(福岡県)
・三津大敷様(高知県)
・焼津まぐろ漁業様(静岡県)
・山田水産様(長崎県)
・watakikeisuke様(鹿児島県)
(五十音順)
漁業カイゼン講習会(安全講習会)を開催しませんか
漁師.jpでは、引き続き漁業者向けの漁業カイゼン講習会(安全講習会)を開催しております。
この講習会では、漁業の労働環境のカイゼンや海難事故の未然防止などの知識をもった「安全推進員」を養成して、労働災害の減少を目指します。
講習会の開催希望がありましたらこちらから講師を派遣します。資料費、講師派遣料などは無料。少人数から大規模なものまで対応可能です。
安全な労働環境は未来の漁師の定着に繋がります。この機会に開催をご検討ください。
詳しくはHP(一般社団法人全国漁業就業者確保育成センター安全事業)をご覧ください。
定置網漁師デビューしたハナシ | 漁師.jp流研修制度
こんにちは!KITAIです。
先日、馬上が先陣を切り北海道に研修に行っておりましたが、私も行ってきました。
今年は三重県尾鷲市へ。
漁業就業支援フェアにも出展されていた、松島定置さん!
松島定置さん Instagramアカウント
はし佐商店さん Instagramアカウント
はし佐商店さん X(旧Twitterアカウント)
松島定置さんは小型定置網漁船を所有し、6人で操業されています。
これまで定置網の船には、操業をお手伝いをしたわけではありませんが、大型定置網の船に一度乗せていただいたことがありました。
今回の小型定置網は、大型とどのように違うのか?
目で見る数値だけなら船のトン数は8.5tと確かに小さめです。
お手洗い付きの新しい船!
沖でも安心ですね!
朝3:30に集合、準備をし出港です。
当たり前ですが、あたりは真っ暗です。
漁場までは船で20分ほど。
自慢なのですが、私、船酔いを全くしないのです。
どんなに波が高くても全く酔わないのです。
三半規管が強いのかバグっているのか、この特性はずっと持ち合わせていたいものです。
漁場に着いたら、全員で箱網を揚げていきます。
網を揚げるといっても「よいしょ」の一瞬で済む話ではありません。
網には揚げるためのロープがついていて、それを順番に揚げていくことでせっかく網に入った魚が逃げないように工夫されていたりします。
大きな網は水で濡れている分重いし、藻や泥が付いていたりします。
揺れる船の上でそれを行うわけですから、当然危険です。
船頭さんの合図で、乗組員全員が息を合わせる必要があります。
網を引っ張っていく作業に参加させてもらいましたが、とても緊迫した雰囲気でした。
陸に上がると明るくて面白い船頭さんも、このときばかりは怖いです。
でも、当然ですよね。
「怖い」と一言で捉えてしまえばそれまでですが、危険を伴う仕事だし、水揚げは収入に直結するし、乗組員さんたちをまとめ上げるわけですから。
大きな声も出すし、力も入ります。
リーダーってそういうもん。
それどころではなかったので撮影はできていませんが、だんだん網を揚げていくと魚たちが見えてくるのですが、この瞬間がとてつもなくわくわくする!!!
あれは何の魚で、あっちはこんな魚で・・といろいろ教えてもらったのですが、私の頭のストレージに余裕がないせいで全ては覚えきれず・・・勉強します。
ロープを引っ張るのは機械で作業ができますが、最終的に網を引っ張るのもタモで魚をすくうのも、全て手作業です。
速さと丁寧さが求められます。
最終日の終盤では、握力を使い果たし腕に力が入らなくなりました・・情けない・・
基本的に毎朝2:30に起きて自転車で港まで行き出港、水揚げをして朝ごはんをいただき、陸仕事に移行する。
こんなスケジュールで動いておりました。
陸での仕事は網の補修や錘の準備など。
網の補修を少しチャレンジさせていただきましたが、1日2日でこなせるような技術ではありませんでした。
漁師さんの仕事って、海に行って魚を獲っているイメージが強いと思いますが、陸での仕事も大事な作業です。
破れた箇所から魚を逃がしてしまわないよう、補修しなければいけません。
網って決して安くない。
網での漁を行う漁師さんたちにとって、網はとても重要な漁具です。
だから漁師さんたちは網をとても大切にします。
皆さんで合わせて、漁師.jpのTシャツを着てくれました!
嬉しい!かっこいい!!
私は日差しを恐れてこんな感じ。
結局、久しぶりに日焼けをしました。
(東京に戻って最初に言われたのが、「焼けたね」)
晴れたのは初日と2日目だけで、残りの2日間は雨に降られてしまいました。
それでも魚を獲るために漁師さんたちは沖へ出ます。
大変だけど、雨の中の出漁も経験できてよかったと思っています。
このような5日間を過ごし、5日間ではありますが、定置網漁師デビューしたわけです。
楽しかったし、それと同じくらい大変でした。
今まで陸上での仕事しかしたことがない私は、朝は7時に起きるし夜は日付が変わってから寝ることが多いです。
出張に行く時でなければ基本的に室内にいて、パソコンに向かっています。
でもそれが、全く真逆の生活になるわけです。
日が昇る前に起きるし、そのために早く寝なければいけないし、仕事中はずっと野外です。
漁業就業支援フェアには、同じように陸上の仕事しかしたことがないけれど、漁師になりたいという人が多くいらっしゃいます。
その心意気は嬉しく思うし、ぜひ漁師になって頑張ってほしいと思う。
だけれど、”なんとなくやってみたい”では、きっと上手くいきません。
どんな仕事でも、真剣に取り組む姿勢を持てなければ成長しないし、自分自身もつまらないですよね。
正直に言ってしまえば危険だし汚れるし、疲れます。
でもそれ以上に「面白い」し「かっこいい」。
日本の魚食文化を支えるには、漁師さんの仕事は必要不可欠です。
漁業就業者の減少が深刻化している中で、そんなこと言ってられるか!と怒られてしまうかもしれませんが、真剣に向き合える人が漁師になってくれるよう、漁師のファンを増やす活動を私は頑張っていきたいです。
まだ2年目の私が、研修を5日間させてもらっただけの私が、そう思うくらい。
濃い、貴重な時間となりました。
生意気言ってすみません。
お忙しい中、研修を受け入れてくださった松島定置さん、ありがとうございました。
また、今年も研修の機会をくださった漁師.jpのみんなにも改めて感謝します。
#漁船事故を減らそう|ryoushi.jp漁船安全月間キャンペーン
「毎年10月は全国漁船安全操業推進月間」
昨日、島根県美保関町で漁船が岩場に乗り上げるという大きな事故がありました。報道によると幸いにも乗組員は全員無事救助されたそうですが、けが人は何名かでているとのこと。乗組員の皆様の一日も早い全快をお祈りしています。
残念ながら漁船の事故は毎年発生しており、命に関わる事故も発生しています。
漁師.jpでは、次世代の漁業従事者が安心して働ける環境を整えるため、担い手対策以外に漁船安全対策にも取り組んでいます。
今年は、毎年10月に実施されている全国漁船安全操業推進月間に合わせ、「漁船安全月間キャンペーン」を実施いたします。
■ryoushi.jp漁船安全月間キャンペーン
期間:10月4日(金)~10月31日(木)
目的:漁船操業の安全意識を高め、事故を未然に防ぐ
対象:漁業者に限らずどなたでも参加可能です
内容:
1.SNS投稿
漁船の安全を呼びかける投稿をお願いします。
安全がイメージできる動画や画像の使用をお願いします。
投稿の際はハッシュタグと漁師.jpのアカウントへのタグ付をお願いします。
ハッシュタグ #漁船事故を減らそう
Instagram @ryoushijp ※共同投稿も◎
Facebook @漁師.jp
X @ryoushi_center
投稿いただいた際は漁師.jpでもシェア等拡散させていただきます。
2.「漁船安全月間キャンペーン」の拡散
こちらの記事や漁師.jpの安全月間キャンペーンの投稿をシェアし、拡散をお願いします。
皆様の呼びかけにより安全への意識を高め漁船事故を減らしましょう!
今日も全国の浜で笑顔の「ただいま」が聞けるよう皆様のご協力をお願いいたします。
漁業カイゼン講習会(安全講習会)を開催しませんか
漁師.jpでは漁業者向けの「漁業カイゼン講習会」を開催してます。
この講習会では、漁業の労働環境のカイゼンや海難事故の未然防止などの知識をもった「安全推進員」を養成して、労働災害の減少を目指します。
講習会の開催希望がありましたらこちらから講師を派遣します。
全国漁船安全操業推進月間に今一度「安全」について考えてみませんか。
詳しくはHP(一般社団法人全国漁業就業者確保育成センター安全事業)をご覧ください。
資料費、講師派遣料など無料、少人数から大規模なものまで対応可能です。また、写真は座学だけですが、希望があれば船内点検も実施しています。是非ご相談ください。
海高ナビ|全国の水産高校の魅力発信!@umi_kou_navi
海が好き!魚が好き!船が好き!そんな生徒が集まる水産高校を応援するInstagramアカウントを開設しました。
その名も「海高ナビ」@umi_kou_navi
漁業が海業としての役割を広げている中、このアカウントでは水産高校を「海高」として、海・魚・船・マリンスポーツ・魚食など幅広く発信します。
『まずは水産高校を身近に感じて欲しい!』
『海の魚と船の高校ならではの普通高校にはない魅力を伝えたい!』
実は水産高校って漁師になるための高校だけではないんです。
水産高校と漁師.jpがタッグを組み、高校のリアルな情報を届けるInstagramアカウントを目指しています。
「水産高校って実習が多くて楽しい」
「昔はヤンキーが多かったけど今はそんなことなくて目標をもって入学する子が多い」
「ハワイまで行った長期航海は一生の思い出であり自信が持てた」
「先生との距離が近くて保護者も安心」
そんな声を色々なところで聞きます。
実際のところどうなの?
ぜひ海高ナビのInstagramアカウント @umi_kou_navi をフォローし、水産高校から直接投稿されるリアルな情報をみてください。
そして、いいね👍投稿の拡散などにもご協力ください!
#海高ナビ #水産高校を守ろう!
▶「海高ナビ」への参画
≪水産高校様≫
参画を希望される水産高校様は一度漁師.jpまでご連絡ください。内容についてご説明します。
≪水産高校OBの皆様≫
母港である水産高校をこの先ずっと存続させるために海高ナビの拡散にご協力ください。
そして投稿にご協力いただける方は漁師.jpまでご連絡ください。
少子化などの影響で水産高校への入学者数が年々減少しています。
また、それに伴い水産高校卒業生の進路のひとつである専攻科の生徒確保も厳しくなっています。
こうしたことから水産高校が近隣の高校と統合するケースもあり、このままだと存続が難しくなる可能性が課題とされています。
水産高校がなくなると大型船の船乗りを養成できず食料の安定共有や船の輸送など、様々なところに支障をきたす可能性があります。
海校ナビはそんな課題解決に取り組む漁師.jpが運営しています。
漁師.jpでは水産高校への入学を検討している中学生とその保護者などとの進路相談も行っています。
お気軽にご連絡ください。
お礼及びご報告【能登半島応援プロジェクト】
1月24日に立ち上げた漁師.jp 能登半島応援プロジェクトは、当初予定より1ヶ月延長しておりましたが9月末を以って終了させていただきました。
たくさんの方々にご支援いただき、心から感謝申し上げます。
お陰様で石川県漁協様にお送りする義援金が目標の100万円を超え1,064,910円となりました。
3月13日と本日10月1日の2回に分け、石川県漁協様の義援金口座に送金させていただきましたことをご報告いたします。
プロジェクトとしての活動は終了しますが、能登半島で新たな被害が発生していることから今後もグッズ販売とそれに伴う募金活動は継続させていただき、石川県漁協様にお届けさせていただきたいと存じます。
※サイズによっては在庫がなくなっています。ご希望の方は早めにお申し込みください。
※発送は入金を確認次第となります。
プロジェクトに賛同いただいた皆様から、温かいメッセージが届いており、その多くが被災地の思い、そして漁師さんへの応援の声でした。こうした声に私たちが励まされ少しでも多くの義援金をお届けしたいと取り組んで参りました。
被災地域の皆様の一日も早い復興復旧を心よりお祈り申し上げます。
漁師.jp一同