漁師.jpでは2022年4月に新しく「漁師.jpサポーター」の制度を立ち上げました。
「漁師になるのが子供のころからの夢でした」目をキラキラさせてそう言っていた若者が
「思っていたのと違った」と辞めていく。その理由を聞いてみると、暴力こそないものの、それって陸上の職場だったら完全アウトのパワハラだよね!!ということも多々ある。
荒れた海では自然と言葉も荒くなるのは仕方ない部分もある。一刻を争う危険を知らせるときに、丁寧な言葉で説明してる暇はない。
でもその言葉の理由や教える姿勢、戸惑っているときにフォローすることがないと、右も左もわからない新人漁師は
「毎日怒鳴られて、怒られるばかりで何も教えてもらえなくて嫌になった」となってしまう。
昔より魚が獲れなかったり、船の設備が古いままだったり、お給料安かったり、田舎だから遊ぶところもなかったり、どう頑張っても一気に改善することは難しいことも多いけれど、
”新人漁師を大事にすること”
心がけひとつでできると思いませんか?
今の若い子は入ってもすぐに辞めるって言っているだけでなく、入った子を大事に育てるとか、陸上産業では当たり前に言われている働き方改革を一部でも導入してみるとかできることからやっていき、漁業界を良くしていこうとサポーターの皆様と取り組んでいきたいと思います。
終身雇用の時代は終わり今の若者はすぐに転職します。これはもう避けられない。
20年間、漁業就業支援フェアを開催し、水産高校にガイダンスに行き、色々な活動をしている中で「漁師になりたい」という若い方は一定数いるという実感があります。漁師になりたい人向け漁師.jp公式LINEの登録者数はいつの間にか1,200人を超え、昼夜問わず漁師になるための相談が寄せられています。
その方たちがずっと日本のどこかで漁師をしてくれるよう、
「漁師って楽しいよね」って発信してもらえるよう、そんな漁業界にすることが漁師.jpの大事な役目です。
制度を立ちあげた昨年の7月、東北各県の水産高校の先生方と大型船の漁業会社が出席する会議(労働組合である全日本海員組合主催)でサポーター制度について説明させていただく機会をいただきました。帰り際、何人かの先生が私のところに来られ、「良い取り組みですね。よろしくお願いします。」と言って帰られました。
その時にお話ししたのは、
『漁師.jpは取り締まりをする機関ではありません。
良い漁業会社に花丸を付けて発信し、夢を抱いて漁師になった水産高校の卒業生が、「漁師になってよかった。」と後輩を呼んでくれる。
そういう循環を生み出していくための取り組みをしていきます』
今までどこも取り組まなかったこと。2022年4月より動き出すことができました。
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漁業人材デザイナー 馬上敦子