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現場の声から学ぶ漁業安全~令和7年度カイゼン講習会アンケート分析~

 令和7年度は、計16回のカイゼン講習会を実施し、沿岸漁業者が171名、沖合・遠洋漁業者49名の計220名に受講いただきました。今回は、受講者のうちご協力いただいたアンケート156件の回答をもとに、現場のリアルな声をご紹介します。

 漁業の現場では、一瞬の不注意や設備のわずかな不備が命に関わる大きな事故を引き起こす恐れがあります。アンケートに寄せられた「ヒヤリハット体験」や「具体的なカイゼンアイディア」をご紹介いたします。

※ヒヤリハットとは…?
1歩間違えれば重大事故になりかねなかった「ヒヤリ」「ハッ」とする危険な体験のこと。
労働安全の分野には「ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)」という考え方があり、1件の重大事故の背景に29件の軽微な事故と、300件のヒヤリハットが隠れているとされています。
この土台となる300件のヒヤリハットの段階で原因を分析・改善することが、重大な事故を未然に防ぐ鍵となります。

■現場の「危なかった」ヒヤリハット体験

アンケートで寄せられた数々のヒヤリハットは、大きく分け3つのパターンに分類されます。

①    海中転落・足場での転倒

・足場・デッキの滑り:「冬季の足場凍結による転倒」「デッキが濡れていて滑った」

・波や揺れによる動揺:「シケにでの操業時、大波を受けてバランスを崩した」「養殖筏で作業中、他船の波を受け転倒しそうになった」

・作業中の接触・押出し:「もっこに押されて海に落ちそうになった」「魚倉の蓋が開いたままで落下した」

②機械・ロープへの巻き込まれ・衝突

・回転機器への巻き込み:「サイドローラー、ネットローラー、ウインチに巻き込まれそうになった」

・ロープ・ワイヤーの破断・跳ね返り:「ロープが切れて頭にあたった」

・作業工具による負傷:「釣り針が手や服にひっかかった」

■現場で実践された「カイゼン例」

アンケートでは、ヒヤリハットを経験した後に現場で施された具体的な対策も報告されています。

具体的な取組内容期待できる効果
設備・環境手すりやハシゴの追加設置・海中転落や転倒の防止
・視認性向上による巻き込まれ、接触事故の防止
デッキの滑り止め塗装、長靴の定期交換
回転部や頭上注意箇所へのトラテープ・目印の貼付
LED作業灯の増設による視認性向上
意識・運用ルール作業時の「声かけ」「相互確認」の徹底・ヒューマンエラーの回避
・誤操作や機械への巻き込まれ防止
・破断事故の未然防止
機械動力レバー付近の動線見直し、人の配置
ロープ、ワイヤーの早期点検、新品交換

【明日から現場で実践できる3つのカイゼンポイント】

1.「声かけ」の習慣化
言葉に出して周囲と意思疎通を図る

2.若手・新人への安全教育
「~かもしれない」の意識を持ち、経験の浅い乗組員へ危険なポイントを共有する

3.危険の「見える化」と迅速な修繕
滑り止め、目印シールなど気づいた危険は放置せずその日のうちにカイゼンする


安全対策は「一度やって終わり」ではありません。
日々の操業で発生する小さなヒヤリハットを逃さずカイゼンを積み重ねていくことが、大切な命と漁業の未来を守る最善の道です。

漁業カイゼン講習会(安全講習会)を開催しませんか?

漁師.jpでは漁業者向けの「漁業カイゼン講習会」を開催しています。
 
この講習会では、漁業の労働環境のカイゼンや海難事故の未然防止などの知識をもった「安全推進員」を養成して、労働災害の減少を目指します。
 
講習会の開催希望がありましたらこちらから講師を派遣します。

詳しくはHP(一般社団法人全国漁業就業者確保育成センター安全事業)をご覧ください。

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