今年新しい企画で始めた「漁師就活セミナー」(オンライン開催)
サッカーW杯で日本がドイツに勝利し、沸いている中、漁師.jpでは年内最後の漁師就活セミナーの開催を決定!
そして、クロアチアに惜しくも敗戦した12月6日(火)に第5弾オンラインセミナーを開催しました。
このセミナーを開催するに至った経緯を少し記載させていただくと、今年6月に焼津市でミニ漁業就業支援フェアを開催しました。
午後から水産高校生向けのガイダンスを予定していて朝から会場を予約していたので、少人数でも人が来てくれるならスタッフが対応してミニフェアを開催してみようかってことでHPとSNSで告知したところ、なんとなんとわざわざ県外から、しかも北海道からも大学4年生が参加してくださいました。
お話を聞いてみたところ、
「周りの友達が就活している中、漁師の就活ってどうしたらいいのかもわからないし、こうして話を聞ける機会がなかったから来てみました」とのこと。だからって北海道から旅費を使わせてしまったなんて申し訳ない!!!
オンラインが普及した今、就活セミナーをオンラインで開催するなんて他の業界では当たり前ですが、まだまだ追いついていなかったことを反省し、6月4日の焼津フェアからわずか13日後の6月17日に”第1弾漁師就活セミナー”を開催したのがきっかけでした。
こちらの隙間時間に開催するので告知期間は1週間から2週間。
ほとんどPR費も使わずSNSでの集客なのですがありがたいことに毎回3~5名程度の方に参加いただいています。
中学生から大学生が対象でしたが、今回は「第2新卒まで参加可能です」と書いてところ某有名大学の大学院生1年生が2名参加してくださいました!
【セミナー概要】ナビゲーター 漁業人材デザイナー 馬上敦子
- 漁師の就活事情
- 漁師の役割
- 漁師のライフスタイル(沿岸・沖合遠洋編)
- 質疑応答、交流会
- ≪ゲスト≫
- 水産庁企画課漁業労働班 松澤様
- 早田大敷 漁労長 中井恭助様
★参加費無料 ★スマホ参加OK
漁師就活セミナーの魅力は少人数なところ。
参加する方にできるだけ顔をお見せいただくよう声がけするので理由のある方以外はお顔をみて話してくれます。
私たちが採用するわけでも斡旋するわけでもないのですが、真剣に質問している表情をみられると、こちらもより真剣に回答しますし、
なによりセミナーのあとに就業支援フェアに足を運んでくださる参加者が多いので、お会いした時に息子のお友達にあったような親しみを覚えます(相手にとってあまりメリットになりませんが(-_-;))
今回、ゲストに水産庁の担当官松澤様と三重県尾鷲市の早田大敷の中井漁労長にご協力いただきました。
質疑になると、質問は中井漁労長に集中しました!
そうですよね。やっぱり漁師さんの話を聞きたいですよね!
Q1:中井さんはどんな経緯で漁師になったんですか?
中井さん:テレビの影響もありました。子供のころからかっこいいなあと思っていて、一回別の仕事をしたけどいつかは漁師になるって決めていました。
Q2:どうしたら漁労長になれるんですか?
中井さん:21歳で漁師を始めて、30代には漁労長になりたいと思って最初からやってきました。実際には29歳で漁労長になりました。漁労長になる前から、いつかはなりたいと意識していたから、自然となったというか。
Q3:取るべき資格はありますか?
中井さん:うち定置の場合は小型船舶操縦士2級があれば十分だけど、まずは入社して漁師やってみてそれからでいいんじゃないか。助成制度もあるから活用できるかもしれません。
Q4:雇用型の漁師と自営の漁師があるってさっきセミナーで聞きました。中井さんはどうして雇用を選んだんですか?
中井さん:いきなり自営はなかなか厳しいんじゃないかな。定置網に乗って生活を安定させて、それでも釣りが好きな人がいっぱいいるから空いている時間に釣りをしている人が多いですよ。
Q5:漁師になることの心配なところが、①過酷さ ②給料 だと思うけどどう思いますか?あと、水産資源の減少についてどう思いますか?
そんな質問が飛び交い、あっという間の1時間半となりました。
ひとつひとつ中井さんが応えてくださり感謝です!
特にみなさんの不安材料である収入面。魚がいなくなるのではないかといった報道も多くみられ漁師になるって大丈夫なんだろうかという声が寄せられることが多くあります。こういった質問に東京にいる私が答えても説得力もない中、現役の漁師である中井さんの言葉は生きた声として皆さんに届いたことでしょう。
漁師就活セミナー 今年は5回の開催となりました。開催後のアンケートを少しだけ紹介させていただきます。
- 高校生です。今回参加させて頂きありがとうございました。やはり自分だけでは得られない情報を沢山得られ、これからの選択肢の幅を広げる事が出来ました。今回得た情報を上手く活用し自分に合う漁師の形はなにかもう一度考えたいと思います。また、漁業就職フェアにも参加してより多くの情報を集めたいと思います。ありがとうございました。
- 正直漁師が周りに居なくて、知識が全くない中、このようなセミナーで深掘りして聞けてよかったと思ってます。
- 自分の他にも大学生の参加者がいて、意外に感じました。また同時に安心もしました。
- 少人数だったのでコミュニケーションが取りやすく、聞きたいことも聞けたので凄く満足のいくセミナーでした。
ひとりの大学生に聞いたお話をヒントに始まったこのセミナーですが、毎回毎回とても素敵な学生とお話が出来て、私たちも勉強させていただいています。今学生さんはインターンシップに行くことも多いので漁業のインターンシップももっと活用できるようにしていきたいなと思いました。
来年もたくさんの方とお喋りする機会を作ることで若い方にもっともっと漁業のことを知っていただき、仮に漁師にならなかったとしても、漁師のファンになってくれるよう活動していきたいなと思います。
漁業人材デザイナー 馬上敦子