10月26日から1泊で就業支援フェアに参加された漁業者さんを訪問してきました。
三重県の松阪駅まで電車で行き、そこからはレンタカーの旅です。
最初に訪問したのが和歌山県新宮市でシラス漁をしている王子水産さん。フェアに参加いただいた中村さんにお話を伺いました。一見、怖そうな雰囲気もありますが、話し出すと止まらず、親切に色々なことを教えてくださいました。
9月に大阪で開催した就業支援フェアで面談した方がすでに現地入りしているとのこと。
台風の中、神奈川県から参加された来場者が新宮まで来られていると伺い、漁師になりたいという気持ちとその行動力に驚かされました。
この地域にしらす漁をしているところがないとのことで競りを行わず、漁獲したらそのまま自社加工場に運び、最速で出荷。30年前からここでは6次産業化だったそうです。
その日は三重県熊野市まで戻り宿泊。
翌朝7時、磯崎漁港の定置網の親方間部さんに会いに行きました。15年ぐらい前の就業支援フェアにご参加いただいていた漁師さん。今は息子さんに船を任せ、陸での作業中心とのことですが朝4時半から仕事してたと伺い、頭が下がりました。
そして、そのあと8時、お隣の遊木漁港では漁師の日にエイエイオー!の掛け声をしていただいた恵洋水産の親方桑原さんにご挨拶!
PRパートナーの普及をお願いしてきました。
桑原さんにもいつもお願いばかりですが長いお付き合いで、なんでも受け入れてくれる安心感。
頼りにしています!
続いて9時に尾鷲市早田町の早田大敷さんへ!
移住者向けのフリーペーパー「iju info」の取材をお願いしたので立ち合わさせていただきました。
今回初めてお話を聞く岩本社長と中井漁労長の黄金コンビは興味深く、すごくいいお話を聞かせていただきました。
中井漁労長(34歳)は21歳の時に大阪からこの地に移住されました。
当時はよそ者扱いでご苦労もあったことでしょう。
6年前の新船建造を機に、ユビキタス魚探の導入、活〆による付加価値向上など新しい取り組みを乗組員総出で行なっています。
詳しくは中井漁労長が制作した早田大敷の密着ドキュメントの動画をご覧ください。
今の乗組員は地元の方より移住者の方が多いとのこと。そうなると「漁師の世界はこうだ!」では通用しません。他産業と肩を並べられるよう労働時間の管理などを行い今後は女性の採用も行なっていきたいとのこと。安全対策では以前、漁師.jpが行っている「カイゼン講習会」も受講いただいています。
取材で乗組員の皆様が撮影をしていたので、スタッフもちゃっかり入れていただき旅の思い出が残りました!
さて、次は同尾鷲市にある遠洋まぐろはえ縄漁業をされている長久丸さんと長久水産さんを訪問しました。
ここ数年、フェアや水産高校でのガイダンスに積極的にご参加いただき採用が進んでいる会社のひとつです。
長久水産の大門社長の考えは、
「就業希望者への説明の際、将来のビジョンを示し、その通り乗組員がスキルアップしていけるよう会社がサポートすること。」
他産業では当たり前のことが、漁獲量で年収か決まる漁師の世界ではなかなかはっきり示すことができない。そこを示してあげることで定着してもらいたいと取り組んでいます。
現在、昨年度の就業支援フェアをきっかけに同社の船に乗船された方が2名いて、一人は新卒の大学生です。就活生にキャリアプランを明確に示せるかは漁業にとって大きな課題で、またそのプランをどこまでサポートできるかが定着の鍵になると思います。
旅の締めくくりは長久丸冷蔵さんで鰹と鮪のお買い物。
元気印の女将が PRパートナーにも登録してくださいました!ありがとうございます
二日間でたくさんの方にお会い出来て、色々なお話を聞かせていただきました。
コロナで東京に引きこもっていましたが少しずつ現地の皆様に勉強させていただけたらと思います。
やはり現場で話を伺うと色々な思いが湧いてきます。
その積み重ねが漁師.jpの原動力だと改めて感じました。
お会いした皆様 ありがとうございました。
漁業人材デザイナー 馬上敦子