漁師になりたいという女性からの声もあり、初めて女子だけのオンラインセミナーを開催しました。
どうせやるならひな祭りがイイ!と3月3日に開催。
まだまだ女性の雇入が進んでいない漁業界。
今まで開催してきたオンラインセミナーにも女性からの参加希望がありましたが、実は個別に対応してきました。
男性と一緒の話ではきっと質問などもしにくく、参加しても消化不良かなと思うのでそうしてきましたが、今回は女子だけ!いつも以上に楽しみなセミナーでした。
参加登録いただいた方が10名。その内訳は20代8名、30代1名、40代1名、平均年齢27.6歳となると益々楽しみ♪
今回、ゲストはオンラインセミナーでは3回目のご出演となった早田大敷の中井恭介さん(三重県尾鷲市)と、今を輝く女性漁師の岸本希望さん(天洋丸・長崎県雲仙市)
そして、漁船に乗り込み漁師のありのままの姿を撮影している船上カメラマンの神野東子さん(北海道釧路市)、水産庁で就業者対策や水産女子プロジェクトの担当をしている若いけどしっかり者の松澤藍夏さんと、これ以上ないサポート体制での開催となりました。
まずは私の方からセミナーでは定番の日本の漁業の現状についてご説明。日本の漁業者男女別人数なども漁業センサスからご紹介しました。
中井さん岸本さんにはそれぞれの漁業についてリアルなお話いただきました。
今回のメインテーマ「女性でも漁師になれるんですか?」については、漁師.jpの300件近い求人情報の中から女性の就業について調査を行い、ご紹介させていただきました。
この調査で、漁業現場でも女性を採用したいという会社は一定数あることがわかりました。セミナー当日、こういった会社様からの声を参加者にお届けし、求人情報を共有させていただきました。
新人女性漁師の岸本さんからは漁師になった体験談をお話いただきました。親族や知り合いに漁師がおらず飲食店で働いていた岸本さんはコロナ禍で別の職業を考えた時に昔から憧れていた漁師の世界に飛び込みました。このエピソードはちょうど3月3日の朝放送された九州朝日放送のアサデス。でご紹介いただいています。
その後は参加者からいただいた質問にゲストの皆様とお答えしていきました。
参加者の質問で一番奥深かったのが、
「漁師の皆さんはどんな気持ちで海と関わっていますか?」という質問でした。
質問された大学生は漁業の体験などの経験がありその時に海の生き物を殺めるという行為に直面し、どう考えたらよいかわからないけれどそれを生業にしている漁師さんに直接質問ができないままモヤモヤした気持ちで今回のセミナーに参加され、「こんな質問をしたら場の雰囲気を乱してしまうかもしれませんが」と前置きをしたうえで事前にこのようなご質問をしてくれました。
これに対し、私自身なんて答えたらいいのかわからずにいましたが、ゲストの皆様が本当に真摯に対応してくださいました。岸本さんも私もこの問いを自身のInstagramに投稿し漁師さんからいただいたメッセージをセミナーの中でご紹介させていただきました。
途中チャットでは「漁師を応援したくてこのセミナーに参加したいと思っていたので、神野さんのような形で応援することもできると知れてよかったです」といったメッセージもありました。
水産庁松澤さんからは自身が水産庁に入庁するきっかけなど他ではなかなか聞けないエピソードも語られ、また特別参加されていた岸本さんの会社の女将さんである竹下敦子さんからも、女性漁師を雇い入れた経験をお話いただき、素晴らしいゲストと参加者との90分が私にとってもとても素敵な時間になりました。
女子セミナー終了後の参加者が退出した後のトークをYouTubeで配信しています。ぜひ女子セミナーの舞台裏を覗いてみてください。
終わった後の達成感をゲストのみんなで共有できるのも実はとてもうれしい時間です!!
オンラインセミナーは企画、参加者募集からゲスト決定、当日運営、アンケートのとりまとめ、編集まで私とスタッフの二人で行っています。大変といえば大変ですが、多くの方に出逢い、その方が漁師を目指したり漁師のファンになってくれたらそれでイイ。いえ、それがイイ!
昨年初めて開催した「漁師就活セミナー」に参加いただいた大学生の何人かがこの春大学を卒業し、漁師になると報告がありました。こんなうれしい春はありません!こころから応援しています!
漁業人材デザイナー 馬上敦子