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11年続く函館少年刑務所での挑戦。更生と漁業の未来をつなぐ「少年北海丸」

こんにちは!漁師.jpの馬上です。 絶賛花粉症です。。。

先日、北海道の函館少年刑務所で開催した「漁業就労フォーラム」についてお伝えさせていただきます。

「受刑者を入れたらイメージが悪くなる」

そんな声もある中ひっそりと始めた活動でした。 でも、10年目となる昨年は函館少年刑務所所長より感謝状をいただき、気がつけば11年。
今回のフォーラムには、約150名の受刑者の方々と、担い手不足に悩む多くの漁業会社の皆さんが参加してくださいました。

会場にはテレビ取材も入り、参加した漁業会社の方がインタビューでこう答えていました。

「もちろんリスクはある。けれど、再犯防止という社会貢献になり、そして自分たちが困っている人手不足に力を貸してくれるなら、ここに来る意味は大きいんだ」

こうした漁業者の皆さんの覚悟に、私は何度も背中を押されてきました。今では業界全体に声をかけたら参加希望が殺到してしまうので、ひっそりと募集して開催しています。

たまたまフォーラムの翌日に、北海道渡島総合振興局が主催の「漁業就業支援フェア」がありました。

来場者は、わずか5名ほど。
今の時代、どんなに汗をかいて募集をかけても、人を集めることは本当に至難の業です。

「可能性を、どこに見出すか」を考えさせられました。

驚異の合格率を誇る、訓練船「少年北海丸」の奇跡

この活動の原点は、函館少年刑務所にある職業訓練施設「少年北海丸」です。
ここでは厳しい選考を通過した受刑者10名前後が、1年間かけて船舶職員になるための訓練を受けます。

操船やエンジンの技術、そして「いか釣り」の実習……

まさに今、漁業界が切実に求めている人材を育ててくれている場所です。

そして!
この船で訓練を受ける方々は、昨年も今年も、全員が「4級海技士」の筆記試験に合格しています。

実質8ヶ月程度の訓練期間で、これほどの結果を出すことがどれほど大変か。

「もう一度やり直したい」

「社会の役に立ちたい」

という彼らの切実な覚悟と支える刑務官や船長の想いが、この数字に表れているのだと思います。

しかし長年、「少年北海丸」は、今年いっぱいでの廃船が決まっています。

深刻な船舶職員不足が進む今、この場所に大きな期待を寄せていたのに……。 更生の道を切り拓こうとする彼らの努力を、そして日本の船を動かし、食卓に魚を届けるためのこの仕組みを、終わらせてはいけない。そう強く感じています。

法務省矯正局の方が函館フォーラム当日も東京から視察に来られ、

「北海丸は廃船にするけれど、用船するなどして訓練は継続する。」

という心強いお話をいただいています。今後の訓練の継続について協力していきたいと思います。

コロナの期間3年間訪問できなかったため、訓練を終え出所した方の就職した実績をしっかり示せないことが悔やまれます。

再犯防止の取り組みとして継続してきたことが今では「水福連携」の取り組みでもあり、もっと多くの方に知っていただくべきことだったと思うようになりました。

以前、この活動の背景について詳しく書いた記事もあります。彼らがどんな思いで海を目指しているのか、ぜひ併せて読んでいただけたら嬉しいです。

▶【過去記事】函館少年刑務所での取り組みについて

すでに就職した方がみんなから慕われ頑張っていると船主さんから教えていただきました。
いつか会いに行こうと思っています。

漁業人材デザイナー 馬上敦子

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