こんにちは!漁師.jp馬上です。
福岡で開催された漁業就業支援フェアに合わせ、その前日7月3日に「漁業担い手対策ネットワーク会議」を開催しました。
今回の会議は、日本遠洋旋網漁業協同組合(えんまき)の新野課長から、
「水産高校の先生方と信頼関係を築き、今後に向けて協力体制をつくれないだろうか」
というご相談をいただいたことがきっかけで開催することになりました。
今年は長崎県で2回ほど水産高校の先生方の会議で講演する機会をいただいたご縁もあり、水産庁のご協力を得て、九州沖縄地区の水産高校、漁業会社、水産庁が一堂に会する場をつくることができました。
福岡フェア前日ということもあり、フェアに参加する大型船の漁業会社へご案内しましたが、参加を希望されたのはまき網の漁業会社のみでした。ということで、西日本の近海まき網漁業における担い手対策について、じっくり議論できる貴重な機会となりました。

実は同じ日には、近くで商船分野で毎年開催されている会議があったそう。
さらに、7月は求人票が解禁される時期で、水産高校の先生方にとって最も忙しい時期です。
「この時期に先生方をお呼びするのは申し訳ない。」
そんな気持ちもありましたが会議では、「ぜひ継続して開催してほしい」「企業と直接話せる場はとてもありがたい」という声を先生方からもいただき、この会議の必要性を改めて感じることとなりました。

先生方からは、生徒や保護者のリアルな意識や、就業後のフォローアップの重要性についてお話と漁業への就業についてアドバイスをいただきました。
一方、漁業側からは、えんまき組合さんよりまき網漁業の現状や参加漁業者へのアンケート結果、昭徳水産さん、東洋漁業さんからは採用前の船内見学や内定後のフォロー、卒業生との交流、SNSでの情報発信、船員のコミュニケーション研修など、若手を受け入れ育てるための具体的に取り組みが紹介されました。



今年は新たな水産基本計画を策定する大切な年でもあります。
水産庁の方にもご参加いただき、現場の声を直接聞いていただく貴重な機会!
会議の最後には、梶原課長補佐から総括をいただき、ご参加いただいた先生方へのお礼と漁業会社の人事担当者へ向けて、今後の取り組みの重要性についてお話しいただきました。
ネットワーク会議の運営者として私の方からもお話しさせていただきました。
会議では「3Kのイメージを払拭する」ということばがありました。
もちろん、漁業の魅力を発信することは大切です。
ただ、イメージだけを変えても、本当の意味での担い手対策にはなりません。

水産高校の現役の生徒たちは、先輩や卒業生から良いことも悪いことも一番リアルな情報として伝わります。
だからこそ必要なのは、「3Kのイメージを払拭すること」ではなく、そのイメージの背景にある職場環境そのものを改善していくことだと私は考えています。
ネットワーク会議では、ハラスメント対策の必要性についても共有することができたと思います。残念ながら、漁業界では時として見て見ぬふりがされてしまう場面があります。また、声を上げた人が逆に批判を受けるケースもあり、課題の根深さを感じています。
まき網船団に対しては、ここ数年船団の切り上げ時期などに合わせて講演依頼をいただき、乗組員に対し研修会を行ったり若手漁業者の定着について一緒に考えてきた会社さんも多いのですが、実は10年前に、えんまきさんの関係者に担い手対策について講演させていただいたことがありました。


当時の資料を見ると「定着にはコーディネーターとなる人“キーマン“の存在が欠かせない」というお話をしていました。今回参加された企業の皆さんが、それぞれの現場で「キーマン」となり、これからの漁業を支える人材育成をリードしてくださることを期待しています。
少子化や私立高校無償化による影響もあり水産高校への入学者は減少し、学校の存続も大きな課題となっています。
学校・企業・行政がそれぞれの立場で力を合わせ、水産高校を支えていくことが、これからの担い手対策には欠かせないということが漁業会社から伝わり先生方との距離が近づいたように思います。私たち漁師.jpがこれまで活動してきた「水産高校応援プロジェクト」の輪をどう広げていけるかなとポジティブに考える1日となりました。
そして、定着支援やハラスメント対策などこれまでの活動の重要性も再認識しました。
翌日の漁業就業支援フェアでは、福岡水産高校の大山校長先生が会場まで足を運んでくださり、新たな嬉しいお声掛けをいただきました。
4月と6月に長崎でお会いした一つひとつの出会いは、小さな「点」かもしれません。
でも、その点が線となり、やがて大きな力になっていく。
それぞれの立場で力を持ち寄り、未来をともにつくる。そのつながりを生み出すことこそ、今の漁師.jpの役割なのだと実感した福岡での二日間でした。

11日(土)は大阪フェア、20日(月祝)は東京フェアと続きます。これからも一歩ずつ今必要な取り組みを続けていきます。
漁業人材デザイナー 馬上敦子
