「AIに奪われない仕事」と調べたら… 20代が漁師セミナーに来た理由

こんにちは! 漁師.jpの馬上です。

最近、「AI」の話題をよく聞くようになりました。

実は 漁師.jpが入居しているビルでも無料のAIセミナーがあり、少しでも業務の効率化を図れればと参加して勉強しています。(初級のうちはよかったのですが、だいぶ落ちこぼれ離脱間近ですが💦)

コロナ禍以降オンラインで開催してきた「漁師の仕事!知るセミナー」を、今年は久しぶりにオフラインで開催しました。

11月7日(金)東京会場に参加してくれた20代の方に、なぜこのセミナーに参加したのか聞いたところ、

「”AIに代替されない仕事って何だろう”と調べていたら、”一次産業”という情報を見つけました。それで、このセミナーで漁師の話を聞きたくて来たんです。漁師のことを聞けるセミナーってなかなか見つからないから楽しみにしていました。」

とのこと。

実は、この1年の間に開催した漁業就業支援フェアに来られた方の中にもこうした動機で来てくれた方が複数いらっしゃいました。

そして、「今まで考えたことがなかったけど、漁師の仕事って大事な仕事だし、面白そう。」という声もいただいています。

「AIに仕事を奪われるかもしれない」

という漠然とした不安が、若い世代にとってすごくリアルな問題になっているんだな、と思うと同時に、
「漁師の仕事がAIに代替されない仕事」
なのだとすれば、その魅力をもっと知って欲しいと思いました。


🤖漁師にとって AIは「敵」じゃなく、最強の「味方」

最近の漁業でも「スマート漁業」としてAIが取り入れられています。

≪例えば≫

  • これまでベテラン漁師さんの「勘」や「経験」に頼っていた、「どこで」「いつ」魚が獲れるかという感覚。これを、過去の漁獲データ、水温、衛星画像などからAIが分析し、「漁場予測」をしてくれるようになります。 これにより、若手や新しく漁師になった人でも効率的に漁ができるようになり、技術の継承にもつながります。
  • 養殖の現場では、AIカメラが24時間体制で魚の健康状態や動きを監視し、最適なタイミングで餌を自動で与えたり、水質の変化をいち早く察知したり。赤潮の発生を早期に予測するシステムも開発されているようです。
  • 船の上で獲った魚の種類や大きさを、AIがカメラで自動判別。その場で漁獲量をリアルタイムに把握できるようになります。これは「獲りすぎ」を防ぎ、大切な水産資源を未来に残す「持続可能な漁業」に不可欠な技術です。

🧑‍✈️ AI時代に「人間」にしかできない仕事

AIを味方につけ効率化を図り、労働の負荷を減らしていくことが必要な一方、今後より一層漁師には、AIには絶対にできない、より高度な役割が求められるようになってきます。

  • 例えば、AIが「この海域に魚がいる確率80%」と予測しても、実際の海の状況(天候、波、潮の流れ)を見て、「よし、今日はこの装備であそこを狙おう」「いや、こっちを先だ」と最終的な判断を下すのは、やはり様々な経験のある「人間」です。
  • そして、海という大自然が相手の仕事は、予測不可能なことの連続。急な天候の悪化、漁具のトラブル、機械の故障…。AIが予測できない想定外の事態を安全に乗り越えるのは、やはり人間である漁師の知恵と経験です。

これからの漁師は、AIを「便利な道具」として使いこなし、海という自然と向き合い、資源を管理する。そんな風に進化していくんだと思います。(落ちこぼれの私が言うのもなんですが💦)

そうなると、「AIに代替されない仕事」を求めて私たちのセミナーの扉を叩いてくれた方々のような、新しい可能性を探す開拓者は、これからの漁村を支えてくれる貴重な視点を持った人材だと感じています。

11月7日のセミナーには東京都、千葉県、神奈川県の漁業を紹介する担当者にご参加いただき、よい雰囲気で終えることができました。

今週11月20日(木)は名古屋で「漁師の仕事!知るセミナー」を開催します。

今回、愛知県の担当者にもご参加いただけることとなりました。
なんでも相談ブースもありますので、ぜひお気軽にご参加ください。

最近の就活事情や転職トレンドなどもお聞かせいただけたらなと思っています。

漁業人材デザイナー 馬上敦子