香川県初開催!!漁業カイゼン講習会

 漁師.jpでは、次世代の漁師が安心して働ける環境を整えるため、担い手対策以外に漁船の安全対策にも取り組んでいます。その一環として漁業カイゼン講習会(安全講習会)を実施しています。

 この講習会では、漁業の労働環境の改善や海難事故を未然に防止するための知識を持つ「安全推進員」を育て、労働災害の減少を目指しています。

 2013年から開催している漁業カイゼン講習会ですが、今回、初めて香川県でカイゼン講習会を開催するということで漁師.jpからも参加させていただきました。

 1/21(火)高松市庵治漁協

 1/31(金)高松市香川県漁連

 2/04(火)高松市瀬戸内漁協

 香川県の担当者が安全に対し非常に熱心な方で、3会場で開催することができました。

【庵治漁協でのカイゼン講習会の様子】
高松駅から車で約1時間の場所にある庵治漁協では、底曳網漁師11人が参加し、講師は徳島県漁業協同組合連合会の森さんです。

 まずは座学がスタート。講師が自身の新人時代に、事故で指を失ったベテラン漁師との出会いをお話した後、スライドを使ってカイゼンの手法や安全推進員の活動内容を説明しました。

 その後、船の上で危険な行動や事故が起きやすい場所について示し、他の船ではどのようにカイゼンが行われたのかについて紹介しました。この講習会では、実際に自分が仕事をする中でどのように改善を進めていくべきか、考え方を学んでいきます。

 講師のデータによると香川県では2006年から2016年度までの漁船死亡事故単純累計件数が全国で8位、就業者数あたりではなんと全国3位とのこと。瀬戸内海は穏やかな海のイメージがある一方、漁船事故が多い現実があります。特に底曳き漁業での事故が多く、事故の原因の多くが「挟まれ」、「巻き込まれ」、「海中に転落」となっています。

 実際にカイゼンを行った漁船の事例を写真で見て、気に入った改善点を2つ選ぶワークも行いました。受講者から講師に質問がでる場面も。受講者はとても熱心で、講義が進むにつれて、資料にないスライドを携帯で撮影する方もいました。

 カイゼン講習会ではご希望があれば実際に船内でカイゼンについて話し合うことができます。

 今回、約1時間の座学を終えた後、受講者と一緒に船に移動し船内点検を行いました。
受講者は積極的に意見を出し合ってらっしゃいました。普段の浜での協力が感じられる明るい雰囲気の中で意見交換が行われました。

 講習会の準備で船を見ていると、隣に停まっていた漁船の漁師さんに声をかけられました。
その漁師さんは40年以上のキャリアを持つ超ベテラン。とびっきりの笑顔で、魚槽に入っているイイダコと大きなヒラメを見せてくれました。
さらに、他の漁師さんに「ずっと漁師をされているのですか?」と尋ねたところ、「全然まだまだで…」と謙遜されていました。ですが、実際には「(漁師を始めて)17年で…」と言っていたので、十分にベテラン。この先も事故や怪我なく漁師を続けてほしいです。そのためにこのカイゼン講習会が役立てば嬉しいです。

 受講者の皆様、講習会の開催を段取りしてくださった香川県や漁協の皆様 ありがとうございました。