【漁師.jpスタッフその4】漁師を知っていく日々日記~漁師.jp流研修制度2024編~

 こんにちは。漁師.jpスタッフその4inokoです。

 普段オフィスで仕事をしていますが、1年のうち1週間だけ職場が漁村になる漁業研修。昨年は岩手県に行かせていただいたので、今年は南の海へ!というわけで、佐賀県唐津市鎮西町へ行ってきました。

 今回お世話になったのは、アカウニ、アワビ、牡蠣養殖漁師、久保居喜一さん(写真右手)見た目は小柄ですが、とってもパワフルな親方。アカウニ養殖のレジェンドです。

 写真左手の若手漁師は久保居親方のもとで学んで1年半の山下さん。高校までサッカーをしていたスポーツマン。技術の習得スピードもはやいとのこと。今後が楽しみな期待の漁師さんです。

2人の漁師
山下さんと久保居さん
ウニ
アカウニ

 親方はとにかくよくしゃべる。そして、とってもおちゃめ。山下さんとのツーショットを撮るときも台にのって身長差をごまかしたり。研修中は、たくさん説明もしていただきました。一方の山下さんは寡黙に仕事をこなしていきます。おしゃべり好きな親方と口数の少ない山下さん。いいコンビです。

1日目

8~11時 養殖用コンテナの清掃後、アカウニの餌となる海藻の一種マメタワラをとりに海上へ。漁港から出発すること5分。親方と山下さんはウェットスーツをきて水中へ。私は船上でお留守番です。仕事を見学しつつ、海の景色に癒される時間。

 最近は海藻だけではなく、キャベツやうどん屋の出汁をとった後の昆布がアカウニやアワビの餌になっているそう。以前は、海に潜って海藻をとりにいってたけど、手間が省けて体が楽になった、と親方が言ってました。九州の海は暖かいと思ったら、唐津市の海は玄海灘、日本海なのでとっても寒いです。

13~15時半 お昼をはさんで、午後はアカウニの餌やり。午前中にとったマメタワラをアカウニにあたえていきます。漁港から3分もかからない海中につるされたコンテナをひきあげ、マメタワラをコンテナにつめていきます。週に1度コンテナを引きあげ、餌やりすることで、成長の様子もわかり、カニのような天敵も駆除できるとか。手間を惜しまず育てることで、親方は2年で出荷するところを1年で出荷します。

船酔いの洗礼 さて、午後の作業を意気揚々とやっていた私ですが、だんだん体に異変がでてきました。そうです、船酔いです。まさかの船酔いデビューを果たしてしまいました。大型定置網の船に乗ったときも、小型船で作業をしたときも酔わなかったので油断してました。漁師さんの「船酔いは気合、慣れだよ!」という言葉を胸になんとか乗り切り、夜は元気に夕飯をもりもり食べました。それでも、寝る前までは揺れが残っている感じでした。これはキツイ…

空と海
船上からの景色
海藻
海藻の一種マメタワラ
海に潜る漁師
海に潜る親方

2日目

8~11時 今度はあわびの餌やりです。今日の餌はうどん屋の出がらし昆布。どんな味がするのでしょう。アワビに「おいしい?」って聞いてみたいですね。さて、コンテナを開けると前回いれた餌はきれいになくなっています。山下さんが海中からコンテナ引き上げ、私はそのコンテナを開けて餌をやっていきます。

午後 昼食をとって13時に再度集合。さて、午後の作業は…「観光」

 作業が落ち着いている時期だから観光へ行こう!と親方。冗談かと思ったら、山下さんの車に乗って着いた先は「名護屋城跡」この辺りは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の陣後が残っており、歴史好きにはたまらない場所だそう。

 漁師になって漁村に住むとなるとその土地に根付くこととなります。なので、久保居親方は弟子を地元のいろいろな所につれていっているそうです。親方は今まで2人の弟子を独立させています。ちなみに3人目の山下さんは、佐賀市出身なので名護屋城跡には小学生の遠足できたことがあるとか。

3日目

牡蠣の水揚げ いよいよ牡蠣の作業。今日は親方の奥様も参戦です。奥様は、仕事大好き人間の親方を支えており、出荷や事務作業を一手に引き受けています。私も研修中は「お母さん」と呼ばせていただき、大変お世話になりました。

 船に乗ること5分。イカダにつるされた牡蠣を引き揚げ、先切り金づちのような道具をつかって、付着物をとっていきます。表面がでこぼこしているので、付着物をとるのに悪戦苦闘。その横で猛スピードで仕事をこなしていくお母さん。この道30年の大ベテラン。なんと、親方よりも作業が早いそう。浜のお母さんパワー恐るべし。親方とお母さんの夫婦漫才の横で山下さんは今日も黙々と作業をこなしていきます。

 午後は、牡蠣を高圧洗浄し、出荷する準備を見学して終了。あっというまの3日間でした。久保居ご夫妻、山下さんありがとうございました。

 帰りは佐賀県高等水産所の方の車で外津漁港~仮屋湾、さらに西の方までぐるりとドライブ。佐賀県の漁師さんや海の現状を教えていただき、改めて気がひきしまる思いでした。途中、新人漁師が網作業をしていたので少しお話もさせていただきました。元美容師で、釣り好きから漁師になった谷口さん。美容師時代は出勤前に釣りにいっていたそう。最近は青年部のインスタを担当しているとか。若い方の感性で漁業界を盛り上げてください!外津漁協青年部インスタ

話す二人
漁マークを背負って
網作業をする漁師
網作業中
高台から見る海

研修を終えて 2日目以降は酔い止めを飲みましたが、船酔いもせず無事に研修を終えることができました。リアルな漁業の現場で学んだことは、事務所にいては決してわからない、感じられないことだらけでした。世界が少し広くなる瞬間。今回あらためて思ったのは、漁師になりたい方には漁業体験に行くことを強くおすすめするということ。今回の私のように船酔いが大丈夫だと思っていても船や作業内容によっては酔う可能性もあります。それでも、海の上での仕事は陸では味わえない何かがあります!

 受け入れ先の皆様、佐賀県支援協議会の皆様、佐賀県玄海栽培漁業協会の伊藤様、ありがとうございました。また、受入準備をしてくださった支援協議会前事務局長の荒巻さんにも感謝申し上げます。そして、漁師.jpスタッフにも貴重な1週間をいただけたお礼を。たくさんの方に支えられていると感じる毎日。普段の業務に役立てるためにも、これからも頑張ります!

最近の漁師.jp 2025年2月15日大阪、22日東京のフェア開催にむけて準備中。現在は、ポスター、チラシの発送作業におわれています。応援の方のおかげでだいぶ発送が進みました。未来の漁師の目に留まりますように!!

チラシを持つ女性店員
銚子駅前のラーメン屋さん。
お願いしたら、チラシをおいてくれました