お疲れ様です!馬上です。
今週は三重県への出張から始まりました。
県内3つの地域から、海難事故を未然に防ぐための「カイゼン講習会」の開催希望があり、講師をお願いした下関水産大学校の藤井先生に同行させていただきました。
安全講習会の開催は、日ごろお忙しい漁師さんたちにとって優先順位が高くない傾向がありますが、今回現場からご希望をいただき、三重県漁連指導部様のご協力もあり開催することができました。
こうした取り組みで少しでも事故を減らし安心できる産業にしていければと思っています。
せっかくの現場訪問の機会なのでいろいろお話を聞かせていただきました。
月曜日に訪問した大紀町の魚類養殖の会社である長栄丸さん。コロナ禍に開催した漁業就業支援フェアに参加したことをきっかけに漁師になった、漁師3年生にお会いできました。
専門学校を卒業し東京から移住したとのことですが、漁村での生活に憧れていたそう。
すっかり馴染んでいて、先輩漁師とも仲良くしている姿と充実した生活が伺えて、コロナ禍でもイベントを開催した甲斐があったなと嬉しく思いました。
この先も元気に頑張っていただき港を盛り上げていただきたいですね!
続いて、尾鷲市の早田大敷さん。
ここにはこの夏、転職し三重県内大型定置初の女性漁師としてデビューした金澤さんが!!!
金澤さんは漁師.jpが今年3月3日にはじめて開催したオンライン女子セミナーに参加したことをきっかけに早田大敷さんに就職しました。元々釣りが好きだった彼女は女子セミナーの後、夢だった「漁師」になるために体験乗船をされ、前職を退職することを決心。7月に夢を叶えました。
三重県のこの地域は7月から11月上旬まで休漁期ということもあり、移住して数日後から約4ヶ月間は陸での作業・・・思っていたお魚が見られる生活とは打って変わりまさかの土木作業員的な・・・
慣れない力仕事が続き腱鞘炎を起こしてしまったりと、ここまで山あり谷ありだったようです。
周りの方の話だと、みんな早く仕事を覚えて馴染んで欲しい思いから、どんどん仕事を教えていたそう。それに応えようと頑張りすぎてしまったことで腱鞘炎になってしまったようで、ゆっくりできることを増やしていくようにと考え方を変えたそうです。
長かった休漁が明け、毎日漁に出るのが楽しみという金澤さん。笑顔がキラキラしていて乗組員の皆さんも嬉しそうでした。
社長のお話では前職の経験を生かして何やら新しい取り組みが始まったとのこと。これからの活躍に目が離せません!
私としてもあのタイミングで女子セミナーを開催して本当によかったなという嬉しい思いと、私の話を聞いたことで人生が変わることに対して身が引き締まりました。
毎日のように色々な方から相談を受けることがありますが、縁あってお話をさせていただくからには、その方の人生が少しでも豊かになるようしっかりしなければいけないなと思います。
続いて、熊野市遊木漁港に移り定置網を中心に20人弱の漁師さんへの講習会。
ここでは長いお付き合いになる恵洋水産の桑原社長にお話を伺いました。
「馬上さんとはもう15年以上の付き合いになるかなぁ」から始まり、漁業就業支援フェアに参加する意義をお話してくださいました。
「フェアに行くことで漁師になりたいという若い方と話をすることができることも大事なことだけれど、出展している他の地域の漁業者と話をすることができて色々な情報を得ることができる。
漁師.jpにも相談ができてこうした講習会を開催してもらうこともできた。
そんなこともあり、フェアは地元にいたら知ることができない情報を入手できる私たち漁師にとって本当に貴重な場なんです。」
そんな風にお話してくださることは主催者としてとても嬉しいことです。これまでも多くの出展者に「この場がなかったら自分たちは人を探す場がなくありがたい」といった声をいただき、私たちとしてもできるだけ多くの地域の方に参加していただけるよう努力してきました。
フェアでは出展者同士がお互いの現状や取り組みなどの情報交換している姿が見られます。
そんな姿をみて以前から出展団体が情報交換をする懇親会のような場をセットできたらいいなと思っているのですがなかなかそこまでの余力がなく開催できていません。
フェアの時間は私たちも慌ただしく出展団体の方とゆっくり話をする時間も取れないのですが皆様と情報交換の場があれば何かに繋がるかもしれません。
私たち漁師.jpでなければできない取り組み。まだまだありそうです。
これまで出展された漁業関係者の皆様と作り上げてきた漁業就業支援フェア。2月に東京大阪で追加開催することで準備を進めています。
こんなことはできないか!などあればできるできないはともかく教えていただけたら検討させていただきます。
漁業人材デザイナー 馬上敦子