こんにちは!漁師.jp馬上です。
あっという間に10月も半ば!
例年、秋は業務が落ち着く時期なのですが、今年はお陰様で忙しい日々を過ごしております。
今年度は、長崎県の昭徳水産様からご依頼をいただき、昭徳丸4船団の乗組員の皆さんに講習会を行ったのですが、昨日、最後の船団の講習会を終えたところです。

こちら以外にも今年度、さまざまな船や漁師の皆さんと関わる中で、ハラスメントや人材育成について伝える機会がありました。
その中で、なんだかきれいごとを言って、
「指導する側だけに、変化を求めすぎてはいないだろうか」
と思う場面が幾度となくありました。
もちろん、人を傷つけたり、追い詰めたりするような言動は、決してあってはいけません。
「見て覚えろ」
「このくらい耐えられないと漁師は務まらない」
そんな昔ながらの指導だけでは、若い人が定着することは難しい時代。
一方で、
「それは言ってはいけない」
「それは今の時代、パワハラです」
と、教える側が必要以上に消耗してしまうこともあります。
以前、水産高校の先生から、若い船員への指導に気を遣ううちに、ベテラン側が疲弊して辞めてしまったという話を聞きました。
真面目な船員さんほど、悩んでしまうこともあるでしょう。
教える側も人です。
相手のことを思って伝えても、受け入れてもらえないことが続けば、やはり疲れます。
「なんて言えばいいのかわからない」
「もう何も言わない方がいいのかな」
そんな気持ちになってしまうこともあると思います。
でも、それでは技術はつながっていきません。
仕事である以上、間違いがあれば指摘する。
相手に成長してほしくて、やり直しを求めることは必要な指導です。
安全が最優先の船の上では、一刻を争い、言わざるを得ない場面も多くあります。
ベテランには、相手に伝わる言葉を選ぶ力が必要であり、
若い人には、教えてもらう姿勢や、指摘を受け止めて次に生かす素直さが必要だと思います。
どちらか一方だけが変わればいいのではない。
若い人が安心して働けること。
ベテランが安心して教えられること。
当たり前のようでこれが難しい時代に私はどう伝えればよいのか。。。課題です。

昨日の昭徳丸船団への講習会のテーマは、
「船員のコミュニケーションを船団の力に変える」
今回の講習では、平成生まれ・令和育ちの「レイくん」と、昭和を生きてきた「ショウタさん」のやり取りを題材に、世代による受け止め方の違いについてお伝えしました。

人格を否定するのではなく、
「何ができていないのか」
「どうしてほしいのか」
を具体的に伝える。
そして若い方には、
「教えてもらえることは、当たり前じゃないんだよ」
ということもお伝えしました。
長年かけて身につけた技術を、自分のために教えてくれる人がいる。
そのことへの感謝や、素直に聞く姿勢はとても大切だと思います。
こうした講習会は、一度行ったからといって、すぐに何かが大きく変わるものではありません。
それでも、乗組員の皆さんが大切な時間を使い、考える機会をつくること。
その時間は、これからの時代大きな意味があると思っています。
だって、数年前まで漁業ではこうした動きがほとんどなかったのだから。
「あの船で働きたい」
「あの船で獲った魚を食べたい」
そんなふうに選ばれる船であってほしい。
ベテランの経験も、若い人の力も、どちらも大切にしながら、次の世代へ漁業をつないでいく。
そんな願いを込めて、1時間を超える講習をさせていただきました。
幸いにもほとんどの方がしっかり前を見てくれていたように感じます。
昭徳水産さんでは、講習会の後に、国土交通省様と海上保安庁様による安全講習も行っており、船団会議では自社の安全担当者との意見交換もあります。

そして最後に、船団をまとめる漁労長からの言葉があります。
なかなか、こうした個々の会社の取り組みに参加させていただける機会はありません。
各漁労長の言葉を、深く胸に刻んでおります。
こうした漁業者の皆様一人ひとりの取り組みが、次の世代にしっかりと受け継がれ、漁業の未来を豊かにしていくことを切に願います。
この船団に新しく入ってきた19歳の男性。
「僕、漁師.jpのサイト見てこの会社に就職決めたんで、お会いできてうれしいです。」
って目をキラキラさせて話しかけてくれました。
それは嬉しい!!
こうした時間を共にした、昭徳水産の皆様の益々のご活躍と安全操業をお祈り申し上げます。
ありがとうございました!
漁業人材デザイナー 馬上