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INTERVIEW

自然と向きあるからこそ、やりがいがある漁師。

自然と向きあるからこそ、やりがいがある漁師。

自然と向きあうやりがいを語る漁師の男性

千葉県旭市足川で、刺し網漁業と貝桁網漁業(かいけたあみぎょぎょう)を営む遠藤勝信(えんどう かつのぶ)さん。

「なるべくして漁師になった」と語る彼ですが、一人前になるまでには決して平坦ではない道のりがありました。過酷な自然と向き合う中で経験した挫折と、そこから得た「漁師ならではのやりがい」についてお話を伺いました。

ーーお父様の跡を継いで漁師になられたとのことですが、どのようなきっかけがあったのでしょうか?

遠藤さん:

実は、「これがきっかけ」という明確な出来事があったわけではないんです。女兄弟の中で男は自分一人でしたし、子どもの頃から自然と親父の背中を見て育ってきたので、「なるべくして漁師になった」という感覚ですね。親父みたいになりたい、という思いが根底にあったんだと思います。

ーー身近な職業とはいえ、実際に始めてから苦労されたことも多かったのではないですか?

遠藤さん:

そうですね。一人前になるまでには、少なくとも2年くらいはかかりました。最初はとにかく船酔いがひどくて、精神的にもしんどかったんです。「また今日も船に乗って気持ち悪くなるのか」と悪いイメージばかりが頭を巡って、ただ日々が過ぎていくような状態でした。

自分を変える大きな転機になったのは、自分の家の船を離れて、他所の船でお世話になったことです。自分の家の船だと、どうしても甘えが出てしまう。厳しい環境に身を置き、その壁をなんとか乗り越えようと必死にもがいた経験が、自分を大きく成長させてくれました。

ーー自然を相手にする漁師という仕事の「難しさ」と「面白さ」はどこにあると感じますか?

遠藤さん:

一番は、「同じタイミング、同じ瞬間は絶対に二度とない」ということです。

昨日はこうだったから明日も同じようにいくだろう、なんてことは絶対にありません。潮の流れも、水の色も、風の向きも日々変わります。体感として「あ、前にこんな雰囲気があったな」と思うことはあっても、条件が全く同じになることはないんです。だからこそ、常に自然と向き合い、「じゃあ今日はどうしたらいいか」を考え続ける面白さがあります。

ーー最後に、仕事をする上で大切にしていることや、今後の目標を教えてください。

遠藤さん:

常に考えて動くことですね。もちろん失敗することもありますが、失敗して「ダメだった」で終わるのではなく、それをバネにしてさらに成長することが大切だと思っています。あの時の壁を乗り越えていなかったら、今の自分も、新しいことにチャレンジする自分もいなかったはずですから。

そして、自分一人の力では成長できません。協力してくれる仲間や周りの人たちがいて、初めて大きなことができる。これからもその感謝を忘れず、自分の思い描く形に挑戦し続けていきたいです。

【編集後記】

「同じ海は二度とない」——遠藤さんのその言葉には、毎日真剣に自然と向き合ってきた漁師ならではの凄みと哲学が詰まっていました。船酔いや身内への甘えといった壁から逃げず、他船での修行を経て成長を遂げたエピソードは、漁業という枠を超えて、どんな仕事にも通じる「挑戦と成長のヒント」を私たちに教えてくれます。